問題
セラミックスの原材料調製に関する次の用語とその説明のうち,最も不適切なものはどれか。
① 造粒:粉体,溶融液,懸濁液,水溶液などから流動性及び付着性を制御するため,目的の形状及び大きさの粒状体を製造する方法。得られた粒子集合体を顆粒と呼ぶ。
② スプレードライ:液体に分散した原料を凍結し,低温減圧下で液体成分を昇華させて除去・乾燥する方法。
③ ゾルーゲル法:金属アルコキシドなどを加水分解,縮重合させてコロイド粒子が分散したゾルを作り,溶媒除去によってゲル化させ,乾燥,加熱によりガラス又はセラミックス粉末を合成する。
④ 共沈法:単独では沈殿しない物質を沈殿する物質によって同伴させて沈殿する共沈現象を利用した粒子合成・沈殿回収法。
⑤ 火炎加水分解法:金属ハロゲン化物等の原料を酸水素火炎中に通して,加水分解によって酸化物粉体又は堆積物を得る方法。
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
①:造粒の定義として正確であり、得られた粒子集合体は顆粒と呼ばれる。正しい。
②:記述は凍結乾燥(フリーズドライ)の説明であり、スプレードライは霧状にした原料液を熱風中に噴霧して瞬時に乾燥させる方法。よって不適切。
③:ゾルーゲル法の工程(加水分解、縮合、ゲル化、焼成)について正確に説明されている。正しい。
④:共沈法は、他の物質と共に沈殿させることで微量成分を捕集する方法として知られ、定義として正しい。
⑤:火炎加水分解法は、金属塩などを高温の火炎中で分解し、酸化物粒子を生成する方法であり、説明は正しい。
したがって、最も不適切なものは②である。
答え ②