問題
ガラスに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 我が国で生産されるガラスの大半はソーダ石灰系ガラスである。
② ガラスは過冷却液体をガラス転移温度以下に冷却して固体としたものである。
③ 鉛ガラスは屈折率が高くクリスタルガラスに用いられる。
④ ガラス短繊維の主な用途は建物の断熱材である。
⑤ ホウケイ酸塩ガラスは熱膨張率が低く主に強化用ガラス長繊維に用いられる。
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
①:ソーダ石灰ガラスは板ガラスや容器ガラスに用いられ、日本国内の生産量も最も多い。正しい。
②:ガラスはガラス転移温度以下で構造が凍結した非晶質固体であり、過冷却液体という定義は妥当。正しい。
③:鉛ガラス(鉛クリスタル)は屈折率と分散が高く、光学的装飾性に優れており、クリスタルガラスに使用される。正しい。
④:ガラス短繊維(グラスウール)は断熱性・不燃性から建築断熱材として広く使用されている。正しい。
⑤:ホウケイ酸塩ガラスは熱膨張率が低く、耐熱性が高いため理化学用ガラス器具などに用いられるが、「強化用ガラス長繊維」は主にアルミノシリケート系やEガラスが使われる。したがってこの記述は不適切。
したがって、最も不適切なものは⑤である。
答え ⑤