問題
流体または熱放射に関する次の式の名称と説明のうち,最も不適切なものはどれか。
① ファニング(Fanning)の式:流体が管内を流れるときの,摩擦による圧力損失を与える式。
② ステファン=ボルツマン(Stefan-Boltzmann)の式:黒体からの放射伝熱を与える式。
③ ハーゲン=ポアズイユ(Hagen-Poiseuille)の式:円管内を流体が層流で流れるときの温度勾配を与える式。
④ 連続の式:流体の運動について質量保存の法則を表した式。
⑤ ナビエ=ストークス(Navier-Stokes)の式:流体の運動について運動量保存の法則を表す式。
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
①:ファニングの式は,摩擦による圧力損失(損失圧力)を求める式であり、正しい。
②:ステファン=ボルツマンの法則は、黒体からの放射エネルギーが絶対温度の4乗に比例することを示す式であり、正しい。
③:ハーゲン=ポアズイユの式は、円管内を流れるニュートン流体の層流における圧力損失や体積流量を求める式であり、温度勾配を与える式ではない。したがって不適切。
④:連続の式は、質量保存則に基づき、流体が流入・流出する際に質量が保存されることを表す方程式で、正しい。
⑤:ナビエ=ストークスの式は、運動量保存則に基づいて流体運動を記述する支配方程式であり、正しい。
したがって、最も不適切なものは③である。
答え ③