問題

我が国では石油からベンゼンやトルエンなどの芳香族が製造される。工業的な芳香族製造に関する次の記述の,[ ]に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。

石油から工業的に芳香族を製造するには,分解系と改質系の2つの原料がある。分解とは熱分解のことで,[A]を得るプロセスである。分解系はこのとき副生する,芳香族化合物を多く含む分解ガソリンを原料とする。改質とはガソリンの[B]を向上させるという意味である。接触改質法は,白金又は白金レニウム二元触媒存在下で,パラフィンを[C]及び環化,ナフテンを[D]することで,芳香族を多く含む改質ガソリン(リフォーメート)を得るプロセスである。改質系はこの改質ガソリンを原料とする。これらの原料から芳香族を取り出すには,[D]による溶剤抽出法が広く用いられている。塔で原料と[D]を向流接触させると,芳香族が[D]に抽出される。[D]と芳香族を分離した後,芳香族混合物から[E]により,ベンゼン,トルエンなどをそれぞれ分離し製品とする。

選択肢ABCDE
ナフサオクタン価水素化スルフォラン蒸留
ナフサ品質水素化四塩化炭素蒸留
ナフサオクタン価脱水素スルフォラン蒸留
重油品質脱水素四塩化炭素クロマトグラフィー
重油オクタン価脱水素スルフォランクロマトグラフィー

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

A:分解(熱分解)で得られるのは軽質成分、主にナフサ
B:接触改質の目的はガソリンのオクタン価向上。
C:パラフィンから芳香族を得るには脱水素および環化が必要。
D:ナフテンからも脱水素により芳香族が得られる。
D:芳香族の抽出にはスルフォランがよく用いられる極性溶媒。
E:芳香族混合物からベンゼン・トルエンなどを分離するには蒸留が使われる。

以上より、最も適切な組合せはである。

答え