問題

電気絶縁性セラミックスの熱伝導に関する次の A~E の記述のうち,最も適切なものの組合せはどれか。

A:熱伝導はフォノン(原子振動)が支配的な因子となる。
B:高温では熱伝導率が上昇する。
C:多孔質セラミックスでは,緻密なセラミックスに比べて熱伝導率が高い。
D:不純物元素を含むセラミックスは,純粋なセラミックスに比べて熱伝導率が低い。
E:ガラスは同じ組成の結晶質セラミックスに比べて熱伝導率が高い。

① AとB  ② CとD  ③ AとD  ④ BとE  ⑤ CとE

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

A:電気絶縁性セラミックスでは電子ではなくフォノン(格子振動)が熱伝導を担う。正しい。
B:高温になるとフォノン散乱が激しくなり、熱伝導率は一般に低下する。誤り。
C:気孔が多いとフォノンの散乱が増え、熱伝導率は低下する。よって多孔質は緻密体より低い。誤り。
D:不純物は格子を乱しフォノン散乱を増やすため、熱伝導率は低下する。正しい。
E:ガラスは非晶質であり、フォノンの長距離伝播が困難であるため、同組成の結晶質セラミックスより熱伝導率は低い。誤り。

したがって、最も適切な組合せは③(AとD)である。

答え