問題

室内空間容積 6,000 m³ の作業場がある。作業場内は,作業環境保護のため外気を送風量 12,000 m³/h の換気扇で換気している。
作業場には換気扇の他に循環風量 8,000 m³/h,冷却能力 20 kWh(一定値)のクーラーを設置している。外気温が 30℃ のとき室内温度として,最も近い値はどれか。

なお,室内空気は完全に混合されていて,室内外ともに圧力変動はないものとする。また,空気比熱は 1,010 J/(kg·℃),空気密度は 1.1 kg/m³,1 kWh = 3.6×10⁶ J の一定値とする。

① 19℃  ② 22℃  ③ 25℃  ④ 28℃  ⑤ 31℃

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

換気によって 12,000 m³/h の外気(30℃)が作業場に流入し、空調で室温 Tₐ に保たれている。

1. 熱収支の構成

  • 外気流量(質量):12,000 × 1.1 = 13,200 kg/h = 3.667 kg/s
  • 比熱:1,010 J/(kg·℃)
  • クーラー冷却能力:20 kWh = 72,000,000 J/h = 20,000 J/s

2. 熱収支式

冷却負荷 = 外気からの熱流入
20,000 = 3.667 × 1,010 × (30 – Tₐ)
→ (30 – Tₐ) = 20,000 ÷ (3,703.7) ≒ 5.4
→ Tₐ ≒ 30 – 5.4 ≒ 24.6℃

最も近い選択肢は③(25℃)である。

答え