問題
石油製品である灯油に関する次の記述のうち,不適切なものはどれか。
① 灯油は,炭素数11~13を中心とする炭化水素成分で構成されている。
② 灯油の燃焼性は煙点で評価される。煙点は煤が出ない灯芯の長さを示し,煙点の値は小さいことが望ましい。
③ 灯油の引火点は40℃以上である。このため引火の危険性が少なく,取り扱いが容易である。
④ 灯油は冬が最需要期で,夏は備蓄期となるため,備蓄期間中の貯蔵安定性の良いことが必要である。
⑤ 燃料電池用に供する灯油の硫黄分は,0.0010質量分率%以下に規定されている。
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/009/attached/attach_9917_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
①:灯油は通常C₁₀~C₁₅程度の炭化水素を主成分とし、C₁₁~C₁₃が中心であるという記述は正しい。
②:煙点は燃焼時に煤が出ない灯芯の最大長を表し、値が大きいほど燃焼性に優れるため、「小さいことが望ましい」という記述は誤り。
③:灯油の引火点は40℃以上であり、ガソリン(−40℃程度)に比べて安全性が高く、一般的な家庭用燃料として適している。正しい。
④:灯油は冬季の暖房需要に合わせて供給されるため、貯蔵中の安定性(酸化安定性やゴムとの相性等)が求められる。正しい。
⑤:燃料電池用灯油の硫黄分については、排ガス中の硫黄酸化物低減・触媒保護のため極めて低濃度が要求されており、0.0010質量%以下という基準は正しい。
答え ②