問題
潤滑油の基油に関する次の記述のうち,適切なものはどれか。
① 潤滑油用基油は,入手性やコストの面で石油系潤滑油基油はあまり使われない。
② ナフテン系基油は,摩擦・摩耗を低減する性能が要求される潤滑油に広く採用されている。
③ パラフィン系基油は,電気絶縁油や冷凍機油など基油自体に低温性能が求められる潤滑油に利用されている。
④ 石油系潤滑油の中で高粘度指数基油は,改質プロセスを利用し,硫黄分や芳香族炭化水素成分を低くしたものである。
⑤ 潤滑油には様々な添加剤が使用される。一般的な自動車用潤滑油は5~25%の添加剤が配合されるのに対し,一般的な工業用潤滑油は5%以下と配合量が少ない。
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/009/attached/attach_9917_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
①:現在でも石油系基油は最も広く使用されており、「あまり使われない」は誤り。
②:ナフテン系基油は低温特性や溶解性には優れるが、摩耗低減性能ではパラフィン系基油や合成油が主に用いられる。誤り。
③:パラフィン系基油は高粘度指数を持つが、低温流動性はナフテン系に劣るため、冷凍機油には適さないことが多い。誤り。
④:高粘度指数基油は、加水素処理などにより芳香族や硫黄分を低減した石油系改質基油である。記述は正確だが「最も適切」とまでは言い難い。
⑤:自動車用潤滑油は高機能が求められるため、各種添加剤が多く配合され(5〜25%)、一方で工業用潤滑油は必要最小限の機能に応じて添加剤の配合量が5%以下である場合が多く、記述は適切。
答え ⑤