問題
我が国では,水素の輸送方法の1つである有機ハイドライド輸送の実証実験が進められている。有機ハイドライド輸送に関する次の記述の,[ ]に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。
有機ハイドライド輸送は,芳香族系有機化合物を水素キャリアとして用いるものである。常圧状態に比べて体積は[A]程度となり,また液体化するためケミカルタンカーやケミカルローリーを用いることができる。
水素付加(水素化)は[B]反応であり,水素脱離(脱水素化)は[C]反応である。いくつかの系のうち,我が国では安全性や利便性などの点から[D]−[E]系の実用化が進められている。ともに汎用化学品であり,既存の社会インフラが利用可能であるためである。
水素製造地において,[E]を水素化して[D]とし輸送する。需要地で[D]を脱水素化し,[E]は水素製造地に戻される。
① A:5分の1/B:発熱/C:吸熱/D:メチルシクロヘキサン/E:トルエン
② A:5分の1/B:吸熱/C:発熱/D:シクロヘキサン/E:ベンゼン
③ A:500分の1/B:発熱/C:吸熱/D:シクロヘキサン/E:ベンゼン
④ A:500分の1/B:吸熱/C:発熱/D:メチルシクロヘキサン/E:トルエン
⑤ A:500分の1/B:発熱/C:吸熱/D:メチルシクロヘキサン/E:トルエン
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
A:有機ハイドライド輸送では、水素を常温常圧より高密度で液体化して輸送できるため、体積は5分の1程度になる。
B・C:水素化反応は発熱反応、脱水素化反応は吸熱反応である。
D・E:我が国での実用化が進められている代表的な水素キャリア系はメチルシクロヘキサン−トルエン系であり、既存インフラで取り扱える汎用化学品である。
したがって、最も適切なものは①である。
答え ①