問題
次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① エチレンの付加重合によりポリエチレンが得られる。重合反応の条件により,やわらかく伸縮性の良い高密度ポリエチレンや,硬く伸びにくい低密度ポリエチレンを作り分けることができる。
② ポリプロピレンを不活性ガス中において高温で処理することで強度や耐熱性,耐摩耗性に優れる炭素繊維が得られる。
③ メラミンとアセトアルデヒドから耐熱性に優れるメラミン樹脂が得られる。
④ CH₂=CHCl で示される化合物の付加重合からポリ塩化ビニルが得られる。また,塩化ビニリデンと共重合したものは食品保存用ラップに利用されている。
⑤ アクリル酸メチルの付加重合により得られるポリマーは透明性が高く,高強度であるためガラスの代替として用いられている。
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料( https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
①:記述が逆である。高密度ポリエチレン(HDPE)は剛直で硬く、低密度ポリエチレン(LDPE)は柔らかく伸縮性がある。よって不適切。
②:炭素繊維の前駆体は通常ポリアクリロニトリル(PAN)などであり、ポリプロピレンではない。よって不適切。
③:メラミン樹脂はメラミンとホルムアルデヒドとの縮合で得られる。アセトアルデヒドではない。よって不適切。
④:CH₂=CHCl(塩化ビニル)の付加重合によりポリ塩化ビニル(PVC)が得られる。また、塩化ビニリデンとの共重合体(PVDC)は食品ラップに用いられる。記述は正しい。
⑤:ガラス代替として用いられるのはメタクリル酸メチル(MMA)の重合体であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)であり、アクリル酸メチルではない。よって不適切。
したがって、最も適切なものは④である。
答え ④