問題
軽油に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 主としてトラック等の自動車用ディーゼルエンジンの燃料として利用されている。
② 原油から得られた直留軽油を深度脱硫装置で硫黄分を除去して製造されている。
③ 潤滑性向上剤が添加されている。
④ ディーゼルエンジンの圧縮着火がスムーズに起こるようにオクタン価がJISで規定されている。
⑤ 冬季には必要に応じて流動性向上剤が添加される。
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料(
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
①:軽油は主にトラックやバスなどのディーゼル車に広く使用されており、記述は正しい。
②:直留軽油(常圧蒸留で得られる軽油分留物)は深度脱硫処理によって硫黄分を大きく除去して製品とされる。正しい。
③:近年は超低硫黄軽油が主流であり、硫黄除去によって潤滑性が低下するため、潤滑性向上剤の添加が行われている。正しい。
⑤:寒冷地や冬季には流動点を下げるために流動性向上剤を添加する。正しい。
④:圧縮着火方式を用いるディーゼルエンジンでは、オクタン価ではなくセタン価が燃焼特性を示す指標として用いられている。
セタン価が高いほど着火性が良好で、スムーズに圧縮着火が起こる。オクタン価は点火プラグによる火花点火型エンジン用の指標である。
したがって、「オクタン価がJISで規定されている」という記述は不適切である。
答え ④