問題
自動車用エンジンオイルのエンジン内部における作用に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 油膜によって酸素や水の付着から部品を守り錆びないようにする防錆作用がある。
② 摩擦を減らして部品同士のすべりをよくし,運動効率を高める潤滑作用がある。
③ 各部品の運動によって生まれた金属片や異物などのゴミを洗い流す洗浄作用がある。
④ ピストンとシリンダー内壁の隙間を埋め,混合気がシリンダー下部に漏れないようにする気密作用がある。
⑤ オイルフィルターの熱を奪い,オーバーヒートを防ぐ冷却作用がある。
【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料(
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)
解答
①:金属表面に油膜を形成し、水や酸素の接触を防ぐことで錆を防止する防錆作用は正しい。
②:摩擦低減と運動効率向上はエンジンオイルの基本的な潤滑作用の一つであり、正しい。
③:異物やスラッジを包み込んで流し去る洗浄作用もエンジンオイルの重要な機能であり、正しい。
④:ピストンリング周辺の密閉性を保つことで混合気の漏れを防ぎ、圧縮効率を保つ気密作用も実際にある。正しい。
⑤:「オイルフィルターの熱を奪う」とあるが、エンジンオイルはエンジン各部の熱を運び、オイルパンやオイルクーラーなどで冷却される。
オイルフィルターは異物を除去する役割であり、**冷却作用に直接関与するものではない**。したがって、この記述は不適切である。
したがって、最も不適切なものは⑤である。
答え ⑤