問題

エンプラ(エンジニアリングプラスチック)などの機能性高分子に関する次の (A)〜(E) の記述について,誤っているものの組合せはどれか。

(A) エンプラは,通常100℃以上の温度に耐えることができ,強度も高いプラスチックのことである。
(B) 芳香族ポリアミド(アラミド)は,脂肪族ポリアミド(例えばナイロン66)よりも耐熱性が高く,高強度であるが,プラスチック成形加工しにくい。
(C) 代表的なアラミドとして,イソフタル酸ジクロリド(m-フタル酸ジクロリド)と m-フェニレンジアミンから合成されるケブラー(デュポン社の登録商標)がある。
(D) ポリカーボネート(ポリカーボネート)は,ホスゲンとビスフェノールAから合成でき,耐衝撃性,寸法安定性に優れたエンプラである。
(E) ポリブチレンテレフタラートは,ポリエチレンテレフタラートより寸法安定性が劣り,結晶化速度が遅いため成形性も悪い。

① A, B
② B, C
③ C, E
④ D, E
⑤ A, E

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料(
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

(A) は正しい。エンジニアリングプラスチックは100℃以上の耐熱性と高い機械強度を持つ高機能樹脂である。
(B) も正しい。芳香族ポリアミド(アラミド)は高強度・耐熱性を持つが、成形加工性は一般の脂肪族ポリアミドよりも劣る。

(C) は誤りである。ケブラーは m-フェニレンジアミンではなく、p-フェニレンジアミンとテレフタロイルクロリドとの反応で得られる。
(D) は正しい。ポリカーボネートはホスゲンとビスフェノールAから得られ、耐衝撃性や寸法安定性に優れ、エンプラとして多用されている。
(E) は誤りである。ポリブチレンテレフタラート(PBT)はポリエチレンテレフタラート(PET)よりも結晶化速度が速く、成形性が良いことが特徴である。

よって、誤っている記述の組合せは (C), (E) であり、③が正解である。

答え