問題

芳香族アルデヒドは合成的に重要な中間体になり得ることから,芳香族化合物のホルミル化反応については多くの例が報告されている。その中で,以下の a)〜c)に例を示した3つの反応の名称の組合せとして,最も適切なものはどれか。

① a:Wittig反応 / b:Vilsmeier反応 / c:Reimer–Tiemann反応
② a:Wittig反応 / b:Reimer–Tiemann反応 / c:Vilsmeier反応
③ a:Friedel–Craftsアシル化反応 / b:Wittig反応 / c:Vilsmeier反応
④ a:Friedel–Craftsアシル化反応 / b:Vilsmeier反応 / c:Reimer–Tiemann反応
⑤ a:Friedel–Craftsアシル化反応 / b:Reimer–Tiemann反応 / c:Vilsmeier反応

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料(
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

a)は芳香族化合物をギ酸(HCOOH)でホルミル化する反応であり、これはFriedel–Craftsアシル化の一種と解釈されることが多い。
b)は芳香族アミン(例:アニリン)をDMFとPOCl3で処理するVilsmeier反応であり、電子豊富な芳香族環にホルミル基を導入できる代表的な反応である。
c)はフェノール類にCHCl3とNaOHを作用させて芳香族アルデヒドを得るReimer–Tiemann反応である。

したがって、a:Friedel–Craftsアシル化反応、b:Vilsmeier反応、c:Reimer–Tiemann反応 に対応するのは④である。

答え