問題

現在普及している家庭用燃料電池システムに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 80℃前後で作動する低温作動タイプの固体酸化物形燃料電池が利用されている。
② 燃料電池の運転に必要な水素は,都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素燃料から作られる。
③ 都市ガスやプロパンガスを利用する場合,混入されている付臭剤の有機硫黄化合物は脱硫器を通して除去する。
④ 改質には水素の発生量が最も多い水蒸気改質法が利用される。
⑤ 改質反応は反応温度が650℃以上で吸熱反応のため,燃料の一部を燃焼させて熱を供給する。

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料(
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

②:水素は家庭用燃料電池では、都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素を改質して製造する。正しい。
③:ガス中に含まれる硫黄成分(悪臭防止の付臭剤)は触媒毒となるため、脱硫器で除去される。正しい。
④:水蒸気改質法(steam reforming)は、水素の発生量が多く、広く利用されている。正しい。
⑤:改質反応は吸熱反応であるため、熱源(燃料の一部の燃焼など)を必要とする。正しい。

①:**固体酸化物形燃料電池(SOFC)は高温作動型(600~1000℃)**であり、80℃程度の低温では作動しない。
家庭用に広く用いられている低温作動型の燃料電池は、**固体高分子形燃料電池(PEFC)**である。

したがって、最も不適切なものは①である。

答え