問題
ジェット燃料油(航空タービン燃料油)に関する次の記述のうち、最も不適切ものはどれか。
① ジェット燃料油は、ガソリンあるいは灯油のような留分で、一般的に接触分解装置、接触改質装置などから得られる製品の混合物として製造される。
② JIS規格によると、ジェット燃料油は1号の灯油型(低析出点)、2号の灯油型、3号の広範囲沸点型の3種類がある。
③ -40 ℃ といった低温の成層圏を飛ぶ際、水分やワックス析出によってフィルターが閉塞しないように、析出点が決められている。
④ 飛行中、翼の先端部が空気との摩擦で高温になるので、ジェット燃料油で冷却している。冷却の際の温度上昇時にタール分が生成しない熱安定性が求められる。また、熱安定性向上のため、アルキルフェノール等の酸化防止剤が添加されている。
⑤ 燃焼時の輝度が高いと輻射熱によりエンジン内面が熱損傷を受けるので、煙点が規定されている。
解答
ジェット燃料油に関する問題。
① 誤り
“接触分解装置、接触改質装置” の部分が誤り。ジェット燃料は原油からの常圧蒸留の過程で得られる留分の内、灯油留分から作られるケロシン系と、灯油留分に加え比重が軽くガソリンの元ともなる重質ナフサ留分と軽質ナフサ留分が含まれるワイドカット系の2種類に大別する事が出来る。 これに対し、接触分解、接触改質を使用すると、オレフィン成分が多くなるた、ジェット燃料とならなくなる。
② 正しい
題意の通り、ジェット燃料油には1号の灯油型(低析出点)、2号の灯油型、3号の広範囲沸点型の3種類がある。
③ 正しい
寒冷地での駐機中や高高度飛行中に燃料配管系が冷気に曝された場合に、燃料が凍結したり粘度が過剰に高まると燃料フィルターや配管系内部で詰まるなど、燃料供給が不安定となる。そのため、ジェット燃料は凍結しにくさのパラーメーターとして析出点により、管理がされている。
④ 正しい
題意の通り。
⑤ 正しい
題意の通り。
よって ① が誤り。
答え ①