問題

2種類のビニルモノマー(M1とM2)のラジカル重合における下記の成長応(1)~(4)の成長反応速度定数をそれぞれ k11、k12、k21、k22 とする。重合初期に得られる共重体組成( d[M1] / d[M2] )は、仕込みモノマー組成比 (r1 = k11 / k12 、r2 = k22 / k21 )を用いて(5)で表される。ただし、[M1] 、 [M2] はモノマー濃度である。

下図の共重合組成曲線のうち、曲線Cは、仕込みモノマー組成( [M1] / [M2] )が非常に小さい(グラフの左端寄り)ときは共重合体組成( d[M1] / d[M2] )が仕込みモノマー組成より大きく、逆に仕込みモノマー組成( [M1] / [M2] )が非常に大きい(グラフ右端寄り)ときは共重合体組成が仕込みモノマー組成より小さいことを示しており、式(5)を近似すれば r1 < 1、r2 < 1であることがわかる。曲線Aの場合のモノマー反応性比として適切なものはどれか。

① r1 > 1、r2 < 1
② r1 = 1、r2 < 1
③ r1 = 1、r2 = 1
④ r1 < 1、r2 > 1
⑤ r1 > 1、r2 > 1

解答

ラジカル重合の反応速度に関する問題。

曲線Aでは、常に仕込み中のM1モル分率が共重合体中のM1モル分率よりも大きな値となっている。この事より、k11 の反応速度定数の方が k12 より大きいと考えられ、よって r1 = k11 / k12 > 1 となる。

曲線Aでは、常に仕込み中のM2モル分率(1 – 常に仕込み中のM1モル分率)が共重合体中のM2モル分率(1 – 共重合体中のM1モル分率)よりも小さな値となっている。この事より、k21、の反応速度定数の方が k22 より小さいと考えられ、よって r2 = k22 / k21 < 1 となる。

よって ① r1 > 1、r2 < 1 が答えとなる。

答え ① r1 > 1、r2 < 1