問題

炭素同素体に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

①C60フラーレンは、ヘリウム中で黒鉛電極間に放電を行う際に生じる。
②C60フラーレンには炭素の六員環と五員環が含まれる。
③黒鉛は、高温における断熱材として利用される。
④ダイヤモンドは極めて熱を伝えにくく、特殊断熱材としての利用が期待される。
⑤ダイヤモンド粉体の合成は、一般的に高温高圧下で行われている。

解答

炭素同素体に関する問題。
以下に各項目の正否を記す。

①正しい
設問はフラーレンのアーク放電法による合成の説明。アーク放電法は不活性ガスを充填した容器の中に、グラファイト電極を向かい合わせ接触させておく。この状態で直流電流を流し、二つの電極を離すと電極間にアーク放電が生じる。この状態で静置すると、陽極が蒸発、すすとなる。このすすの中にフラーレンが含まれている。

②正しい
下図の通り、フラーレンは六員環と五員環からなっている。

フラーレンの模式図

③正しい
黒鉛は不活性ガス雰囲気の断熱材として使用される。

④誤り
ダイヤモンドは常温において銅の約5倍の熱伝導率を持つため、断熱材としては使用できない。誤りである。

⑤正しい
合成ダイヤモンドの合成条件は1500℃、5GPa(HPHT法)である。

よって ④ が間違いである。

答え