問題
次の記述中の物質A、B、Cに対する(ア), (イ), (ウ)の説明の組合せとして,最も適切なものはどれか。
単体のカルシウムに水を作用させて生成した物質をAとする。この物質Aに二酸化炭素を吸収させて生成した物質をBとする。 さらに物質Aあるいは物質Bを加熱して得られる固体物質をCとする。
(ア) 乾燥剤や発熱剤として用いられている。
(イ) 石灰岩や大理石として天然に産出する。
(ウ) 炭酸水素カルシウムの水溶液を加熱すると、沈殿物として生成する。
ア イ ウ
① A B C
② C A B
③ C A C
④ C B B
⑤ C B C
解説
カルシウムの化合物に関する設問。
以下に設問内の反応と各物質の説明を記載する。
物質A
- 設 問
- 単体のカルシウムに水を作用させて生成した物質をAとする。
- 反応式
- Ca + 2H2O → Ca(OH)2 + H2
- 物質名
- 水酸化カルシウム
- 慣用名
- 消石灰
- 用 途
- 酸性化の河川・土壌の中和剤、凝集剤、建築材料、pH調整剤、顔料、殺菌剤、歯科治療、コンニャクの凝固剤、火力発電排ガス中の硫黄酸化物の除去等
- その他
- 水酸化カルシウムが飽和溶解した水溶液は石灰水と呼ばれ、二酸化炭素を吹き込むと白く濁る。これは炭酸カルシウムが生成し、この炭酸カルシウムが水に難溶性であるためである。
物質B
- 設 問
- この物質Aに二酸化炭素を吸収させて生成した物質をBとする。
- 反応式
- Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3↓ + H2O
- 物質名
- 炭酸カルシウム
- 慣用名
- 石灰石
- 用 途
- 錠剤の基材、チョーク、窯業、農薬、肥料、飼料、填料、顔料、消しゴム、歯磨剤、化粧品原料、食品添加物等
- その他
- 天然には石灰岩や大理石として存在する。
物質C
- 設 問
- さらに物質Aあるいは物質Bを加熱して得られる固体物質をCとする。
- 反応式
- Ca(OH)2 加熱 → CaO + H2O、 CaCO3 加熱 → CaO + CO2
- 物質名
- 酸化カルシウム
- 慣用名
- 生石灰
- 用 途
- 製鋼、セメント原料、陶磁器、ガラス副原料、土壌改良剤、食品加温、乾燥材るつぼの内張り用耐熱材、炭化カルシウム・水酸化カルシウム生産原料等
以上より、
(ア) 乾燥剤や発熱剤として用いられている。→ 物質C
(イ) 石灰岩や大理石として天然に産出する。→ 物質B
(ウ) 炭酸水素カルシウムの水溶液を加熱すると、沈殿物として生成する。→ 物質B
よって ④ C B B が正解である。
答え ④ C B B