問題
100 kPa、27 ℃ の空気で充満されている 100 m3 の密閉した室内で、純度 100 % の硫黄 96 g を完全燃焼させた。室内の二酸化硫黄濃度の増加に最も近い値はどれか。
ただし、気体定数 R = 8.3 m3 Pa K-1 mol-1 、硫黄の原子量は 32 、酸素の原子量は 16 とし、室内の温度上昇は無視できるものとする。
① 22 volppm
② 67 volppm
③ 249 volppm
④ 747 volppm
⑤ 22,400 volppm
解答
状態方程式、物質の酸化反応、濃度計算に関する問題。
二酸化硫黄濃度:CSO2 (volppm) は 、二酸化硫黄の体積:VSO2、及び、全気体の体積:VAll = 100 m3 より以下の式で計算する事ができる。
CSO2 = VSO2 / VAll × 106
よって VSO2 を求め、代入し計算する。
硫黄の燃焼反応は以下の反応式となる。
S(固体) + O2(気体) → SO2 (気体)
この反応式より、硫黄の燃焼では消費した酸素と同じだけの二酸化硫黄が発生がする。また、硫黄(固体)の体積は全体積より圧倒的に小さいため、硫黄(固体)の燃焼による体積変化は無視する事ができる。よって、硫黄の燃焼前後で圧力:P は変化しないので、
P = 100 × 103 Pa
となる。
また、上記の反応式より、発生する二酸化硫黄の量はもともとある硫黄の量と同じである。よって、二酸化硫黄の物質量:nSO2 (mol)、硫黄の物質量:nS (mol)、気体定数:R = 8.3 (m3 Pa K-1 mol-1)、温度:T (K)、圧力:P (Pa)とすると、物質量の計算、及び、気体の状態方程式から以下の通り二酸化硫黄の体積:VSO2 が計算できる。
nSO2 = nS = 96 (g) / 32 (g mol-1) = 3 mol
VSO2 = nSO2RT / P
= 3 × 8.3 × (27 + 273) / (100 × 103)
= 0.0747 m3
よって、
CSO2 = VSO2 / VAll × 106
= 0.0747 / 100 × 106
= 747 volppm
以上より ④ 747 volppm が解答となる。
答え ④ 747 volppm