問題

向流式二重熱交換器を用いて、85 ℃の高温流体を質量流量 5 kg s-1の割合で流し、45 ℃まで冷却したい。35 ℃の冷却水を用いた場合、冷却水の最小所用流用として最も近い値はどれか。

なお、高温流体の比熱は 2.09×103 J kg-1 K-1、冷却水の比熱は 4.18×103 J kg-1 K-1とする。

① 1 kg s-1
② 2 kg s-1
③ 3 kg s-1
④ 4 kg s-1
⑤ 5 kg s-1

解答

熱交換器のエネルギー収支に関する問題。
向流式二重熱交換器を模式的な図とすると以下の様な図となる。

向流式二重熱交換器の模式図

ここで、各文字は以下の通りとなる。

T1(冷却水の入り口温度)= 35 ℃
T2(冷却水の出口温度)= 85 ℃
T3(高温流体の入り口温度)= 85 ℃
T4(高温流体の出口温度)= 45 ℃

ここで、T2(冷却水の出口温度)= 85 ℃ となるのは、冷却水の最小流量を求める為である。

また、この系におけるエネルギー収支は以下の通りとなり、各熱量も以下の式より計算する事ができる。

【高温流体が放出した熱】=【冷却水が受け取る熱】
【高温流体が放出した熱】=【高温流体の比熱】×【出入り口の温度差】×【高温流体流量】
            = 2.09×103 × (85-45)× 5
【冷却水が受け取る熱】= 【冷却水の比熱】×【出入り口の温度差】×【冷却水流量】
           = 2.09×103 × (85-35)×【冷却水流量】

よって、

【冷却水流量】=[2.09×103 × (85-45)× 5]÷[2.09×103 × (85-35) ]
       = 2 kg s-1

以上より ② 2 kg s-1 が解答となる。

答え ② 2 kg s-1