問題

高分子の分子構造に関する次の記述の下線部のうち,最も不適切なものはどれか。

出発原料となる低分子物質には,ビニルモノマー,① 二重結合1個を含むジェンモノマー,官能基を2個以上持つアミノ酸,ヒドロキシカルボン酸,さらにエチレンオキシドのような② 環状モノマーがある。
高分子を形成するモノマーが1種類のときは,この高分子をホモポリマーといい,2種類以上のモノマーからできているときは,共重合体あるいは③ コポリマーと呼ぶ。
共重合体中のモノマーの配列にはいろいろな種類があり,モノマーの結合順序がランダムのときは,この共重合体をランダム共重合体と呼ぶ。
また,モノマーがある規則性を持って結合する場合,例えば,AとBというモノマーが共重合するとき,

ABABABAB・・・

のようにAとBが交互に結合しているものを④ 交互共重合体

(AA・・・AA)(BB・・・BB)(AA・・・AA)・・・

のようにある程度連続してブロック的な配列をとるものを⑤ブロック共重合体という。

①~⑤の下線部のうち、最も不適切なものはどれか。

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料(
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

①:ジェンモノマーは、ビニルモノマーとも呼ばれ、C=C のような二重結合を持ち付加重合により高分子を形成する。正しい。
②:エチレンオキシドのような環状モノマーは開環重合の原料として利用される。正しい。
③:「コポリマー」は2種類以上のモノマーで構成された高分子の一般的名称である。正しい。
⑤:「ブロック共重合体」は、同一モノマー単位がまとまって連続する構造を持つ共重合体であり、正しい。

④:「交互共重合体」は、理想的にはABABAB…のような配列であると説明されるが、多くの実在する高分子は完全な交互性を示すわけではなく、統計的な配列となることが多い。設問の文脈ではこの記述が他と比較して最も不適切と判断される。

答え