問題

無機物質は多くの技術分野で用いられている。物質とその応用の組合せとして,最も不適切なものはどれか。

① 酸化チタン … 光触媒
② バリウムフェライト … 永久磁石
③ アルミナ … LSI基板
④ 安定化ジルコニア … 酸素センサー
⑤ チタン酸バリウム … 包丁

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料(
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

酸化チタン(TiO2)は、紫外線照射下で酸化還元反応を引き起こす光触媒として利用される代表的な物質である。
バリウムフェライト(BaFe12O19など)は強磁性材料であり、永久磁石や磁気テープ材料として広く利用されている。
アルミナ(Al2O3)は絶縁性と耐熱性に優れ、LSI基板など電子材料のセラミックス基板としても利用されている。
安定化ジルコニア(ZrO2にCaOやY2O3を添加)は高温での酸素イオン導電性を持ち、酸素センサーや燃料電池の電解質として使われる。

一方、チタン酸バリウム(BaTiO3)は強誘電体や圧電体として知られ、コンデンサやセンサーなどに用いられる材料である。機械的強度や刃物性能を活かした「包丁」用途には適さないため、この組合せは不適切である。

よって、⑤が最も不適切である。

答え