問題
1 次反応で崩壊するヨウ素131の半減期は8日である。ヨウ素131に基づく放射能の量が100万ベクレル(Bq)であった。放射能の量が1,000ベクレル(Bq)になるには, おおよそ何日かかるか。ただし, Log102 = 0.301 である。
① 27 日
② 80 日
③ 250 日
④ 2,400 日
⑤ 8,000 日
解答
1 次反応の微分方程式は
ーdC/dt = kC
となる。ここで k は 速度定数、t は 時間、C は 濃度である。
これを ( t , C ) = ( 0, C0 )、( t , C ) = ( t , C ) の境界条件で解くと、
C = C0 exp(ーkt ) (1)
となる。これは任意の時間の濃度を求める式である。
この式のlnをとると
lnC = lnC0 ー kt (2)
となる。
題意から半減期では ( t , C ) = ( t 1/2, 1,000,000/2 ) となる。(t 1/2:半減期になる時間、 1,000,000 /2:半減期での濃度である。)また、放射能の量が1,000ベクレル(Bq)になる時には ( t , C ) = ( t 1000 Bq, 1,000 )となる。(t 1000 Bq:1000 Bq になる時間である。)
これらの値を (2) 式に入れると
ln(1,000,000/2) = ln(1,000,000) ー kt 1/2 (4)
ln(1,000) = ln(1,000,000) ー kt 1000 Bq (5)
となる。この式を整理すると、
kt 1/2 = ln2 (6)
kt 1000 Bq = ln1000 (7)
となる。この式について (7) ÷ (6) すると、
kt 1000 Bq / kt 1/2= ln 1000 / ln 2 (8)
t 1000 Bq / t 1/2 = log 1000 / log 2 (9)
となる。この式を整理し、値を代入すると、
t 1000 Bq = t 1/2 × log 1000 / log 2 = 8 (day) × 3 / 0.301 = 80 (day)
よって答えは②となる。
答え ②