問題

石炭に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 堆積層内の植物質は,化学変化により芳香族環が発達していく。その結果,褐炭,亜炭,瀝青炭,無煙炭の順に変化する。
② 原料炭とは,コークス製造の原料に使用される石炭で,粘結性が低い石炭である。
③ 石炭から直接エネルギーを取り出す代表的な方法は,石炭を微粉炭に粉砕して燃焼させる微粉炭燃焼である。
④ 石炭の持つ特徴の1つは,石油・天然ガスに比べ地域的な偏りが少なく,世界に広く存在していることである。
⑤ 自国消費が多いため,国際商品として貿易できる量は少ない資源である。

【引用】公益社団法人日本技術士会「過去問題(第一次試験)」ページ内掲載資料(
https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_7.pdf、2025年5月9日アクセス)

解答

①:植物質が炭化する過程で芳香族環構造が発達し,褐炭 → 亜炭 → 瀝青炭 → 無煙炭の順で進行する。正しい。
③:微粉炭燃焼は、石炭を粉砕して燃焼効率を高める一般的な方法であり、火力発電などで広く用いられている。正しい。
④:石炭は石油・天然ガスと比べて産出地域に偏りが少なく、世界各地に存在する。正しい。
⑤:石炭は多くの国で自国消費が多く、貿易量は相対的に限られているため国際商品としての流通量は少なめである。正しい。

②:**原料炭(粘結炭)**とは、コークス製造のために使用される石炭であり、**粘結性(可塑性・軟化性)が高い**ことが重要条件である。
よって、「粘結性が低い石炭である」という記述は誤りである。

したがって、最も不適切なものは②である。

答え